ai-garage
News

GLM-5.3-Flash とは?ox-alpha の正体、商用OKで1タスク$0.24

「GLM-5.3-Flash とは?」の答えは、中国の Z.ai が2026年8月26日に公開した3,200億パラメータのAIだよ。OpenRouter で無料配布されていた謎モデル ox-alpha の正体がこれ。重みは MIT ライセンスで商用OK、料金は割引中で入力$0.075・出力$0.25だよ。

GLM-5.3-Flash とは?ox-alpha の正体、商用OKで1タスク$0.24

この記事の要点

  • GLM-5.3-Flash は中国の AI 企業 Z.ai が2026年8月26日(現地時間)に公開したモデルだよ。総パラメータ3,200億のうち実際に動くのは180億で、重みは MIT ライセンスで公開されているから商用利用もできるんだ。
  • OpenRouter で2026年8月20日から無料で配られていた提供元不明のモデル ox-alpha は、このモデルの匿名テストだった。Z.ai が公式ドキュメントで自ら明かしたよ。2026年8月28日時点で ox-alpha は OpenRouter の一覧から消えている。
  • コーディングの公式ランキング DeepSWE v1.1(113タスク・2026年8月26日更新)で63%(±4%)。1タスクあたりの平均コストは$0.24で、1位の Claude Opus 5(74%・$11.84)の約49分の1、前世代 GLM-5.2(44%・$3.92)からは19ポイント上がって16分の1になったよ。
  • API 料金は100万トークンあたり入力$0.075・出力$0.25。これは50%割引後の値で、割引は2026年9月9日24時(シンガポール時間)に終わると公式が明記している。定価は入力$0.15・出力$0.50だよ。

やっほー、ぼくてんびん丸!きょうは謎が解けた話だよ。

先週ぼくは「ox-alpha(オックスアルファ)とは?」という記事を書いた。OpenRouter に突然あらわれた、提供元が名乗らない無料モデルの話だったよね。そのとき「誰が作ったの?」の答えは「公表されていません」としか書けなかったんだ。

その答えが出たよ。作っていたのは中国の AI 企業 Z.ai(ゼットドットエーアイ)で、モデルの本名は GLM-5.3-Flash。しかも Z.ai は重みまで MIT ライセンスで配ってしまった。順番に整理するね。

何があったの?

Z.ai が 2026年8月26日(現地時間)に GLM-5.3-Flash を公開したよ。同社の GLM-5 シリーズで初めて最初から画像と動画を扱えるようになったモデルなんだ。

項目中身
開発元Z.ai(中国)
公開日2026年8月26日(現地時間)
総パラメータ3,200億
実際に動くパラメータ180億(288個のエキスパートのうち8個)
一度に読める量1,048,576トークン(モデルカードの設定値)
入力できるものテキスト・画像・動画
ライセンスMIT(商用利用可)
重みの置き場zai-org/GLM-5.3-Flash(FP8・約328.3GB)/zai-org/GLM-5.3-Flash-BF16(約642.6GB)

3,200億のうち動くのは180億だけ、というのがこのモデルの肝だよ。必要なときだけ担当の部分を起こす仕組み(MoE)で、大きさのわりに計算が軽い。Z.ai は前世代の GLM-5.3 とくらべて、長い文章を読むときの計算量を3.01分の1、そのとき溜め込むメモリを4.44分の1に減らしたと書いているんだ。

ox-alpha の正体だったって、本当?

本当だよ。しかも推測ではなく、Z.ai 自身が公式ドキュメントに書いた。原文はこう。

Before release, we tested GLM-5.3-Flash anonymously as ox-alpha on OpenCode and OpenRouter to gather user feedback. (リリース前に、利用者の反応を集めるため GLM-5.3-Flash を ox-alpha として匿名のまま OpenCode と OpenRouter でテストしていた)

ぼくが先週の記事で書いた特徴と、今回公開された仕様はぴったり一致しているよ。

ox-alpha として見えていたものGLM-5.3-Flash の公式仕様
一度に読める量1,048,576トークン1,048,576トークン
入力できるものテキスト・画像・動画テキスト・画像・動画
考える量の設定max / high / low の3段階max / high / low の3段階(既定は max)

先週の記事で「海外だと GLM の系列じゃないかという見立てが出ている」とだけ書いて断定を避けたんだけど、その見立てが当たっていたわけだね。

いまはどうなっているかというと、2026年8月28日時点で ox-alpha は OpenRouter のモデル一覧から消えている。公開API(/api/v1/models)に stealth/ox-alpha の行はもう無くて、モデル個別のAPIを叩いても提供先(endpoints)が0件で返ってくるんだ。代わりに z-ai/glm-5.3-flash有料で並んでいるよ。無料のお試し期間は終わった、ということだね。

性能はどのくらい?

先週の記事で「SNS で流れている DeepSWE 80% という数字は公式ランキングに載っていない」と書いたよね。その公式ランキングに、今回ちゃんと載ったよ。

DeepSWE は Datacurve が運営するコーディングの試験で、113個の課題を実際に解かせて正解率を測るもの。2026年8月26日更新の v1.1 の順位はこうだよ。

順位モデル正解率1タスクの平均コスト
1Claude Opus 574% ±4%$11.84
2GPT-5.6 Sol73% ±3%$6.46
3Claude Fable 570% ±4%$21.63
4GLM-5.369% ±3%$3.99
5Kimi K369% ±5%$4.65
10GLM-5.3-Flash63% ±4%$0.24
11DeepSeek-V4-Pro63% ±6%$1.67
12Claude Opus 4.859% ±2%$13.22
18GLM-5.244% ±2%$3.92

出回っていた80%ではなく、63パーセントだった。ただし注目すべきは正解率じゃなくて右端の列だと思う。

  • 前世代の GLM-5.2 から19ポイント上がって、コストは16分の1になった(44%・$3.92 → 63%・$0.24)
  • 1位の Claude Opus 5 とは11ポイント差だけど、コストは約49分の1($11.84 → $0.24)
  • Claude Opus 4.8 は正解率でも抜いている(59% → 63%)

DeepSWE 公式ランキング v1.1(2026年8月26日更新)での正解率と1タスクあたり平均コストの比較カード。Claude Opus 5 は74パーセントで11.84ドル、GLM-5.3 は69パーセントで3.99ドル、GLM-5.3-Flash は63パーセントで0.24ドル。

Z.ai は公式ブログで「Claude Opus 4.8 に迫る」と書いているけど、この公式ランキングで見るかぎり迫るどころか上なんだ。ただし Opus 4.8 は Anthropic の1世代前のモデル(現行の最上位は 2026年7月24日に出た Claude Opus 5)で、比較相手としては一段古いことは押さえておいてね。

第三者の測定でもうひとつ。Artificial Analysis の総合知能スコア(Intelligence Indexv4.1.1 で 57だったよ。同じ版で GLM-5.3 が60、Claude Opus 5 が63だから、上位モデルに3〜6ポイント差というところ。

なお Z.ai は自社ブログで「Z.ai Code Bench v1.0 で max 設定なら 29.0 で、Claude Opus 4.8 の 29.5 にほぼ並ぶ」とも書いているけど、これは Z.ai が自分で作ったテストだから、ぼくはここでは参考程度に留めておくね。

料金はいくら?いつまで安いの?

ここが一番の売りだよ。Z.ai の公式料金ページの数字はこう(100万トークンあたり)。

モデル入力出力キャッシュ済み入力
GLM-5.3-Flash(割引中)$0.075$0.25$0.015
GLM-5.3-Flash(定価)$0.15$0.50$0.03
GLM-5.3$1.4$4.4$0.26
GLM-5.2$1.4$4.4$0.26

定価どうしで比べても、上位の GLM-5.3 の約9分の1。いまは50%オフなので、実質18分の1くらいになっているよ。

ただし気をつけてほしいのは、この50%オフには終わりの日が決まっていること。公式には「2026年9月9日24時(シンガポール時間・UTC+8)に終了」と書いてあるんだ。9月10日からは定価の $0.15/$0.50 に戻る前提で計算しておいたほうがいいと思う。

AI仲介サービスの OpenRouter でも z-ai/glm-5.3-flash として同じ $0.075/$0.25 で提供されているよ(2026年8月28日時点、公開APIで確認)。

中国製チップで動かしていたって本当?

これも公式に書いてある。Z.ai いわく、ox-alpha として無料開放していたあいだの処理はすべて中国国内で開発されたアクセラレータで動かしていたんだって。

...enabling efficient and reliable serving across tens of thousands of domestically developed accelerators. (数万基規模の国産アクセラレータをまたいで、効率よく安定して提供できるようにした)

そのうえで「最初の状態とくらべて全体の処理性能を3倍にし、主要な NVIDIA の GPU に匹敵するハードウェア効率と1トークンあたりのコストに到達した」と主張しているよ。チップメーカーの名前は公表されていない(ITmedia の記事でも「数万基規模の中国製AIチップ」までしか書かれていない)から、そこは分からないままなんだ。

ぼくが「なるほど」と思ったのは順番のほうでね。先に匿名で世界中の開発者に使わせて、「速い・安い・賢い」という評判を作ってから、実は中国製チップで動いていましたと明かした。先に「中国製チップで動きます」と言っていたら、性能を疑う声のほうが先に立ったかもしれないよね。

自分のパソコンで動かせる?

正直むずかしいと思う。重みは MIT ライセンスで誰でもダウンロードできるけど、大きさがこれだけあるんだ。

置き場形式容量
zai-org/GLM-5.3-FlashFP8約328.3GB
zai-org/GLM-5.3-Flash-BF16BF16約642.6GB

FP8 版でも328GBだから、ふつうのパソコンに載る量じゃないよね。手元で動かすというより、自社のサーバーに置いて社外にデータを出さずに使いたい会社向けの選択肢だと思う。SGLang・vLLM・Transformers など主要な動かし方には公式が対応表を出しているよ。

「とりあえず試したい」だけなら、Z.ai の API か OpenRouter を使うほうが早いね。

ぼくの感想

ぼくがいちばん驚いたのは、ステルスで配ってから正体を明かすというやり方が、ここまできれいに決まったことだよ。

先週のぼくは「提供元が名乗っていない相手に仕事のコードを投げるのは、自分で判断してね」と書いた。その判断は今でも間違っていないと思う。でも結果として、あのとき無料で遊んでいた人たちは、いちばん早く GLM-5.3-Flash を触っていたことになるんだよね。ちょっとくやしい気もする。

そして数字。1タスク $0.24 という値は、正解率63%という数字より衝撃だった。Claude Opus 5 の74%は確かに強いけど、49回ぶん回せるお金で1回なんだ。「毎回いちばん賢いモデルを呼ぶ」以外の選択肢が、はっきり現実的になってきた気がするよ。

いっぽうで、9月9日に割引が終わることと、中国製のモデルであることの2つは、そのままにしておけない事実だと思う。安さに飛びつく前に、料金は9月10日以降の $0.15/$0.50 で見積もっておくのと、業務で使うなら自社の規定を確認するのは、やっておいたほうがいいよ。

まとめ

先週の「ox-alpha とは?」の答え合わせができたよ。正体は Z.ai の GLM-5.3-Flash、重みは MIT ライセンスで商用OK、DeepSWE 公式ランキングで 63%を1タスク$0.24。無料のお試しは終わったけど、有料になってもじゅうぶん安い。割引は2026年9月9日までだから、試すなら早めがいいと思うよ。

よくある質問

Q.GLM-5.3-Flash とは?
A.中国の AI 開発企業 Z.ai が2026年8月26日(現地時間)に公開した大規模言語モデルです。総パラメータ3,200億・実際に動くパラメータ180億の MoE 構成で、GLM-5 シリーズで初めてテキスト・画像・動画を最初から扱えるようになりました。一度に読める量はモデルカードの設定値で1,048,576トークン、重みは MIT ライセンスで Hugging Face に公開されています。
Q.ox-alpha の正体は?
A.GLM-5.3-Flash です。Z.ai は公式ドキュメントで「リリース前に、利用者の反応を集めるため GLM-5.3-Flash を ox-alpha として匿名のまま OpenCode と OpenRouter でテストしていた」と説明しています。2026年8月28日時点で ox-alpha は OpenRouter のモデル一覧から消え、公開APIが返す提供先も0件になっており、代わりに z-ai/glm-5.3-flash が有料で提供されています。
Q.GLM-5.3-Flash の料金は?
A.100万トークンあたり入力$0.075・出力$0.25です(2026年8月28日時点)。これは50%割引後の価格で、定価は入力$0.15・出力$0.50。割引は2026年9月9日24時(シンガポール時間・UTC+8)に終わると Z.ai の公式料金ページに書かれています。同社の上位モデル GLM-5.3 は入力$1.4・出力$4.4なので、定価どうしで比べても約9分の1です。
Q.GLM-5.3-Flash は商用利用できる?
A.できます。Hugging Face のモデルカードに記載されたライセンスは MIT で、重みは zai-org/GLM-5.3-Flash(FP8・約328.3GB)と zai-org/GLM-5.3-Flash-BF16(約642.6GB)の2本が公開されています。ただし中国の企業が開発したモデルなので、業務で使う前に自社の規定を確認してください。
Q.GLM-5.3-Flash は Claude Opus 5 より賢い?
A.いいえ。コーディングの公式ランキング DeepSWE v1.1(113タスク・2026年8月26日更新)では Claude Opus 5 が74%(±4%)で1位、GLM-5.3-Flash は63%(±4%)で10番手です。第三者測定の Artificial Analysis Intelligence Index v4.1.1 でも Opus 5 が63、GLM-5.3-Flash は57。ただし同じランキングでの1タスクあたり平均コストは Opus 5 の$11.84 に対して GLM-5.3-Flash は$0.24 で、約49分の1です。

参考・一次ソース

この記事に出てきた用語・モデル

関連 AI モデル

この記事をシェア

Xでシェア

関連記事

更新を受け取る