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News 最終更新 2026/8/28

ox-alpha(オックスアルファ)とは?無料1Mコンテキストの謎モデル、性能の数字に要注意

「ox alpha とは?」の答えは、2026年8月20日に OpenRouter へ現れた提供元非公開の無料モデルだよ。料金は$0、一度に読める量は1,048,576トークン。SNSで流れる「DeepSWE 80%」は公式ランキングに無い数字なんだ。性能の見分け方と使い方、無料の代わりに渡すものを整理するね。

ox-alpha(オックスアルファ)とは?無料1Mコンテキストの謎モデル、性能の数字に要注意

この記事の要点

  • 【2026年8月28日 追記】ox-alpha の正体は中国の AI 企業 Z.ai のモデル GLM-5.3-Flash だったよ。Z.ai が2026年8月26日の公開にあわせて公式ドキュメントで明かしたんだ。2026年8月28日時点で ox-alpha は OpenRouter のモデル一覧から消えていて、無料のお試しは終わっている。
  • Ox Alpha(ox-alpha)は2026年8月20日に OpenRouter へ登場した、提供元が名乗っていない「ステルスモデル」だよ。料金は入力・出力とも100万トークンあたり $0 で、公開されていたあいだは無料で使えたんだ。
  • 一度に読める量は1,048,576トークン(約105万)で、1回の返答は最大131,072トークン。入力はテキスト・画像・動画の3種類に対応していて、外部ツールの呼び出しもできるよ。考える工程は常時オンで、量を max・high・low から選べるんだ。
  • コーディングの実力をはかる DeepSWE の公式ランキング(113タスク・2026年8月20日更新)に ox-alpha は載っていないよ。1位は Claude Opus 5 の74%、2位が GPT-5.6 Sol の73%。SNS で流れている「80%」は、113タスクのうち10タスクだけを個人が試した数字なんだ。
  • OpenRouter のモデルページには「プロンプトと応答は提供者が保持するが、学習には使わない」と書いてあるよ。ただし保持する相手は名乗っていない会社だから、仕事のコードを投げるかどうかは自分で判断する必要があるんだ。

【2026年8月28日 追記:正体が判明したよ】 ox-alpha を作っていたのは中国の AI 企業 Z.ai、モデルの本名は GLM-5.3-Flash だったよ。 Z.ai が2026年8月26日(現地時間)の公開にあわせて、公式ドキュメントで 「リリース前に、利用者の反応を集めるため GLM-5.3-Flash を ox-alpha として匿名のまま OpenCode と OpenRouter でテストしていた」と自ら明かしたんだ。 重みは MIT ライセンスで公開され、DeepSWE の公式ランキング v1.1 にも 63%(±4%)・1タスク平均 $0.24 で載ったよ(下の記事で「80%は公式にない」と書いた数字の答え合わせ)。 2026年8月28日時点で ox-alpha は OpenRouter のモデル一覧から消えていて、無料のお試しは終わっている。 くわしくは GLM-5.3-Flash とは?ox-alpha の正体 を見てね。 以下は正体が分かる前(2026年8月23日)に書いた記録として、そのまま残しているよ。

やっほー、ぼくてんびん丸!「誰が作ったか分からないAIが、無料で置いてある」——そんな変な出来事が起きてるよ。

2026年8月20日、AI仲介サービスの OpenRouterOx Alpha(ox-alpha) という名前のモデルが突然現れたんだ。提供元の会社名は出ていない。料金はタダ。それなのに一度に読める量は100万トークン超で、テキストだけじゃなく画像も動画も受け取れる。

そして数日のうちに、SNS では「コーディングのベンチマークで80%出した」「いや58.4%だ」みたいな数字が飛び交いはじめた。どれも公式の数字じゃないんだ。 結論から整理するね。

結論:仕様は公開API で確かめられる、性能の数字は確かめられない

項目分かっていること
登場した日2026年8月20日(OpenRouter 登録は日本時間8月21日5時4分)
提供元非公開。OpenRouter 上の provider 名は「Stealth」
料金入力・出力とも100万トークンあたり $0(無料)
一度に読める量1,048,576トークン(約105万)
1回の返答の上限131,072トークン
受け取れる入力テキスト・画像動画
公式のベンチマークなし(DeepSWE の公式ランキングに未掲載)

上の段の仕様は、ぼくが OpenRouter の公開API を直接叩いて取った値だよ。誰かの紹介記事の転記じゃないんだ。下の段の「公式のベンチマークなし」も、DeepSWE の公式サイトを見て確かめたよ。

そもそも「ステルスモデル」って何なの?

OpenRouter は、いろんな会社のAIをまとめて呼び出せる仲介サービス(いわば「AIの取次店」)だよ。ふつうはモデルの横に「OpenAI」「Anthropic」みたいに開発元の名前が出る。

でも ステルスモデルでは、そこが伏せられているんだ。OpenRouter の説明はこう。

このモデルは、この preview の期間中は匿名でいることを選んだ第三者の提供者によって開発・運用されている。OpenRouter は経路を提供しているだけで、開発元でも所有者でも提供者でもない。

なんでこんなことをするかというと、発表前のモデルを、名前の先入観なしに大勢に試させるためだと言われているよ。「あの会社のモデルだから」というひいき目が入らない状態で、実際の使われ方と評判を集められるからね。

このやり方には、はっきりした前例があるんだ。 OpenRouter に「Quasar Alpha」「Optimus Alpha」という名前で登場したステルスモデルは、あとから OpenAI の GPT-4.1 のテストだったと OpenRouter 自身が公表しているよ。

だからステルスモデルは、正体が分かった瞬間に消えるか、正式な名前で出直すのがふつう。今使えているのは期間限定だと思っておいたほうがいいよ。

スペックを見てみよう(全部 公開API の値だよ)

項目補足
モデルIDstealth/ox-alphaOpenRouter で指定する名前
一度に読める量1,048,576トークンちょうど2の20乗。日本語なら数十万字ぶん
1回の返答の上限131,072トークン長い実装をまるごと吐き出せる量
入力の種類テキスト・画像・動画出力はテキストのみ
考える工程常時オン(切れない)量は max・high・low の3段階。初期設定は max
外部ツールの呼び出し対応tools / tool_choice
返答の形式指定対応response_format
読み込んだ内容の使い回し非対応同じ資料を何度も投げると毎回フルで処理される
内容のフィルタかかっていないOpenRouter 上の表示は is_moderated: false
直近1日の稼働率99.99%ちゃんと動いている

面白いのは、「考える工程」を切れないところ。最近のモデルは「速く答えるモード」と「じっくり考えるモード」を選べるものが多いけど、ox-alpha は必ず考えてから答える設計になっているんだ。しかも初期設定がいちばん考える max。長時間かかる開発作業に振り切った作りなんだと思う。

もうひとつ気になるのが、読み込んだ内容の使い回し(キャッシュ)に対応していないこと。同じ仕様書を何度も投げる使い方だと、そのたびに全部を読み直すことになるよ。いまは無料だから財布は痛まないけど、有料化されたときにここがどうなるかは見ておきたいポイントだね。

「DeepSWE で80%」はホントなの?

ここがこの記事のいちばん大事なところ。

DeepSWE は Datacurve というところが作った、プログラムを書かせて実力をはかるテストだよ。特徴は、問題を過去のソフトの修正履歴から持ってくるんじゃなくて、全部ゼロから新しく作っていること。ネット上の答えを丸暗記していても解けないようにしてあるんだ。中身は 113問91個のソフトから、TypeScript・JavaScript・Python・Rust・Go の5つの言語にまたがっている。

で、2026年8月20日時点の公式ランキング(1回で正解できた割合)はこうなっている。

順位モデル1回で正解できた割合1問あたりの費用
1Claude Opus 574% ±4%$11.84
2GPT-5.6 Sol73% ±3%$8.39
3Claude Fable 570% ±4%$21.63
4GLM-5.369% ±3%$3.99
5Kimi K369% ±5%$4.65
6GPT-5.6 Luna67% ±4%$0.61
9Gemini 3.7 Flash65% ±2%$2.18
11Claude Opus 4.859% ±2%$13.22
12Qwen3.8-Max57% ±3%$3.73

この表に ox-alpha は、ひとつも出てこない。

じゃあ「80%」はどこから来たのか。海外の紹介記事をたどると、ある個人開発者が113問のうち10問だけ試して、8問正解した——という話に行き着くんだ。113問中の10問は、全体の9%弱。同じ10問を別のモデルにやらせれば、そっちも普段より高く出たり低く出たりする。

ここで表を見てほしいんだけど、上位のモデルには「±4%」みたいなブレ幅がちゃんと書いてあるよね。113問フルで測っても、これだけの幅が出るということなんだ。10問だと、そのブレ幅はもっとずっと大きくなる。 1問の当たり外れが10%も動かすからね。

そしてもうひとつ、SNS で見かける「58.4%」という数字。よく見ると、これは公式ランキングの Claude Opus 4.8(59%)とほぼ同じなんだ。比較相手の数字が、いつのまにか主役の数字として出回る——ベンチマークの話ではこれがけっこう起きる気がする。数字だけが切り取られて回ると、どっちのモデルの点数だったのかが落ちちゃうんだよね。

だから、こういう見方をしてほしいんだ。

AIの性能スコアの出どころを見分ける図。左は公式ランキングで、113問すべてを同じ条件で測りブレ幅も示されている。右は個人テストで、113問のうち10問だけを1人が試した参考記録。分母とブレ幅を確認することが見分け方だと示している。

  • 公式ランキングに載っているかを最初に見る(載っていなければ、まだ「参考記録」)
  • 何問中の何問か、分母を確認する
  • ブレ幅(±)が書いてあるかを見る。書いていない数字は、精度の説明を放棄している

無料の代わりに、何を渡してるの?

タダより高いものはない、というやつを確認しておこうね。OpenRouter のモデルページには、こう書いてあるよ。

このモデルのプロンプトと応答は提供者によって保持され、学習には使われない。それ以外の扱いは Stealth Model Terms に従う。

大事なのは、「学習に使わない」と「誰も見られない」は別だということ。書いてあるのは前者だけなんだ。そして保持する相手は、名乗っていない会社だよ。

つまり ox-alpha に投げたコードや文章は、

  • どこの国の、どんな会社に渡るのか分からない
  • でも保持はされる

という状態。趣味のコードや公開予定のサンプルを試すぶんには面白いけど、顧客のデータ・社外秘のコード・未公開の仕様書を投げるのは、ぼくはおすすめしないな。会社で使うなら、そもそも仲介サービス経由の未知のモデルを業務で使っていいのかを先に確認したほうがいいよ。

ぼくの感想

正体を隠して出してくる、というやり方そのものは、わりと合理的だと思うんだ。

新しいモデルって、名前が付いた瞬間に「あの会社なら当然」「あそこが出したなら大したことない」っていう先入観が乗っかっちゃうよね。名前を消せば、純粋に「使ってみてどうだったか」だけが集まる。開発側からすると、これはすごく欲しいデータだと思う。

ただ、受け取る側としては居心地が悪いのも正直なところ。無料で1Mトークン、画像も動画も読める——これって普通に考えたらかなりの計算資源を燃やしているはずで、誰かがそのお金を出しているわけだよね。その誰かが何を目的にしているのかが分からないまま、こっちはコードを渡している。この非対称さは、ちょっと気持ち悪い気がするんだ。

性能については、ぼくはまだ何とも言えないと思っている。10問のテストで80%出たことは「見込みがありそう」の材料にはなるけど、「Claude Opus 5 を超えた」の根拠にはならないよ。113問フルの結果が公式ランキングに載る日が来たら、そのときに改めて見ればいいんじゃないかな。

正体については、海外だと「GLM の系列じゃないか」という見立てが出ているよ。応答の癖やトークンの区切り方が似ている、という理由みたい。ただしこれは本人の発表じゃないから、ぼくはここでは断定しないでおくね。(2026年8月28日 追記:この見立ては当たっていた。正体は Z.ai の GLM-5.3-Flash だったよ。→ くわしい記事

まとめ

  • ox-alpha は2026年8月20日に OpenRouter へ現れた、提供元非公開のモデル。 料金は入力・出力とも $0、一度に読める量は 1,048,576トークン、入力はテキスト・画像・動画に対応しているよ
  • 考える工程は切れない設計(max / high / low の3段階、初期設定は max)で、外部ツールの呼び出しにも対応。ただし読み込んだ内容の使い回しには非対応なんだ
  • 公式のベンチマークは存在しない。 DeepSWE の公式ランキング(113問・2026年8月20日更新)に ox-alpha は載っていなくて、1位は Claude Opus 5 の74%、2位が GPT-5.6 Sol の73%だよ
  • SNS で回っている「80%」は113問中10問だけの個人テスト。「58.4%」は公式ランキングの Claude Opus 4.8(59%)とほぼ同じ数字なんだ
  • プロンプトと応答は、名乗っていない提供者に保持される。 「学習には使わない」とは書いてあるけど、仕事のデータを投げるのは避けたほうがいいと思うよ

新しいモデルが出てくるのはワクワクするけど、数字が独り歩きしはじめたときこそ、分母とブレ幅を見るのがいちばんの護身術だよ。ぼくもそうするね!

よくある質問

Q.ox-alpha(オックスアルファ)とは?
A.2026年8月20日に AI仲介サービス OpenRouter に登場した、提供元が公表されていない大規模言語モデルです。OpenRouter 上では provider 名が「Stealth」、モデルIDが stealth/ox-alpha になっています。コーディングと長時間動き続けるエージェント用途に向けた推論モデルだと説明されており、一度に読める量は1,048,576トークン、入力はテキスト・画像・動画に対応しています。
Q.ox-alpha は無料で使える?
A.いいえ、2026年8月28日時点では使えません。ox-alpha は OpenRouter のモデル一覧から消え、モデル個別のAPIが返す提供先も0件になっています。正体である GLM-5.3-Flash が有料で提供開始されたためです。無料だったのは2026年8月20日から8月下旬までで、当時は入力・出力とも100万トークンあたり $0 でした。後継の z-ai/glm-5.3-flash は100万トークンあたり入力 $0.075・出力 $0.25 です。
Q.ox-alpha は誰が作った?
A.中国の AI 開発企業 Z.ai です。2026年8月26日(現地時間)に GLM-5.3-Flash を公開した際、Z.ai が公式ドキュメントで「リリース前に、利用者の反応を集めるため GLM-5.3-Flash を ox-alpha として匿名のまま OpenCode と OpenRouter でテストしていた」と明かしました。この記事を最初に書いた2026年8月23日時点では非公開で、海外で出ていた「中国の Zhipu の GLM 系ではないか」という推測が結果として当たっていたことになります。
Q.ox-alpha のベンチマークのスコアは?
A.公式のスコアは存在しません。コーディングのベンチマーク DeepSWE の公式ランキング(113タスク・2026年8月20日更新)に ox-alpha は掲載されていません。SNS や海外の紹介記事で「DeepSWE 80%」という数字が出回っていますが、これは113タスクのうち10タスクだけを個人開発者が試して8問正解した、という結果です。同じ公式ランキングでは Claude Opus 5 が74%、GPT-5.6 Sol が73%、Claude Fable 5 が70%です。
Q.ox-alpha に仕事のコードを投げても大丈夫?
A.投げる前に社内の規定を確認してください。OpenRouter のモデルページには「このモデルのプロンプトと応答は提供者によって保持され、学習には使われない。それ以外の扱いは Stealth Model Terms に従う」と書かれています。学習に使わないことと、誰も読めないことは別です。保持する提供者が名乗っていない以上、顧客情報や社外秘のコードを含むやり取りは避けるのが無難です。
Q.ox-alpha はどこから使える?
A.OpenRouter の stealth/ox-alpha というモデルIDで呼び出せます。OpenRouter に対応しているツールなら、モデル名を切り替えるだけで試せます。外部ツールの呼び出し(tools / tool_choice)、返答の形式指定(response_format)、考える量の指定(reasoning_effort)に対応しています。

参考・一次ソース

この記事に出てきた用語・モデル

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