OpenCodeの無料モデルはなぜ無料?売上の仕組みとHermesで使える範囲
OpenCodeで10月13〜16日にDeepSeek V4.1 FlashやGLM 5.3 Flashなど4モデルが相次いで無料に。どうやって売上を立てているのかを公式資料と創業者の発言から整理し、Hermes Agentから無料モデルを本当に呼べるかも試しました。
この記事の要点
- OpenCode は2026年10月13〜16日に、Cat Jam・DeepSeek V4.1 Flash・Nemotron 3.5 Super VL・GLM 5.3 Flash の4モデルを相次いで無料にした。公式ドキュメントの料金表には、無料のモデルが15個並ぶ(10月16日時点)。どれも期間限定で、終了日は書かれていない。
- 売上の柱は、月10ドルの定額プラン OpenCode Go と、使った分だけ払う OpenCode Zen。Go の契約者は2026年8月20日時点で30万人を超えたと、共同創業者の Jay V が公表している。創業者の dax は「データは売っていない」と明言している。
- 無料モデルの多くは、作り手が利用者の意見を集めてモデルを改良するために期間限定で出している、と公式ドキュメントに書かれている。Nemotron は NVIDIA の無料の窓口から提供されている。私は、無料モデルは OpenCode 本体に人を呼ぶ入口だと見ている。
- 2026年10月16日に試したところ、DeepSeek V4.1 Flash・GLM-5.3-Flash・Nemotron 3.5 Super VL の無料版は、OpenCode の外から呼ぶと断られた。Go の料金表に並ぶ無料モデル(Cat Jam Free・LongCat 2.5 Preview Free)は、Hermes Agent から使えた。
10月13日から16日までの4日間で、OpenCode のモデルが4つ、立て続けに無料になりました。ステルスモデルの Cat Jam、DeepSeek V4.1 Flash、NVIDIA の Nemotron 3.5 Super VL、GLM 5.3 Flash です。
告知を見て私が最初に思ったのは、「どうやって売上立ててんねん」でした。
同じことを考えた人は海外にもいました。DeepSeek の無料化を告げる公式ポストを引用して、「もう一回聞くけど、どうやって儲けてるの?」と書いた人がいて、その返信欄で OpenCode の創業者が何度も答えています。
この記事では、公式ドキュメントと創業者の発言から OpenCode のお金の流れを整理します。あわせて、私がふだん使っている Hermes Agent から無料モデルを本当に呼べるのかも試しました。結論を先に書くと、「Hermes Agent がますます使いやすくなる」という私の予想は、半分だけ当たっていました。
4日で無料になった4つのモデル
OpenCode は、ターミナル(黒い画面にコマンドを打って使う作業環境)で動く、無料でオープンソースの AI コーディングエージェントです。開発しているのは Anomaly という会社で、公式サイトでは毎月1,600万人の開発者が使っているとしています。
ここ1か月の無料化の流れを、公式 X の告知から並べました。
| 日付 | 公式の告知 |
|---|---|
| 9月16日 | ステルスモデル Union Alpha を1週間無料に |
| 9月23日 | ステルスモデル Space Bunny を1週間無料に |
| 10月6日 | Space Bunny の無料期間は終わるが、OpenCode の無料枠で数日スポンサーを続ける |
| 10月13日 | ステルスモデル Cat Jam を無料に |
| 10月15日 | DeepSeek V4.1 Flash を無料に |
| 10月15日 | Nemotron 3.5 Super VL を無料に |
| 10月16日 | GLM 5.3 Flash を無料に |
ステルスモデルとは、作った会社の名前を伏せたまま公開されるモデルのことです。正式な発表の前に、実際の使われ方を見て調整するために出されます。
公式ドキュメントの料金表には、2026年10月16日時点で無料のモデルが15個並んでいます。どれも「期間限定」とだけ書かれていて、終了日はありません。
有料の定額プラン OpenCode Go の側でも動きがありました。10月12日には DeepSeek V4.1 Flash の Go の月枠が80ドル分に増え、10月14日には Google の Gemini 4 Argon が「11月30日まで、10ドルで60ドル分」として Go に加わっています。Go で使える Gemini 4 Argon は、入力が Google の学習に使われる代わりに安くなる「Contributor 版」です。
日本の X でも、「常に動かしているエージェントの LLM 料金がタダになった説」という声が出ていました。一方で、無料で DeepSeek を回していたら制限に当たったという報告もあります。無料でも、使える量には上限があるようです。
「どうやって儲けてるの?」への創業者の答え
海外の「どうやって儲けてるの?」というポストには、創業者の dax(@thdxr)が返信しています。要点は次の3つです。
- データは売っていない
- モデルは、開発元(ラボ)が自社で提供しているのと同じ方法で提供している
- OpenCode は、ラボ以外では最大の推論の売り手で、モデルを作るための学習のコストを持っていない
推論とは、ここでは AI を動かして答えを出させることです。OpenCode はモデルを作らず、動かす分の利用料を売っている、という説明になります。
同じ返信で dax は、定額サービスの採算について以前書いた9月13日のポストを示しています。Claude の月200ドルのプランを例にした計算で、利用者全員が上限まで使うわけではないこと、使いすぎる人の赤字は他の事業の利益で埋まることを説明したものです。dax 本人が「数字は仮のもの」と断っているので、ここでは数字を写しません。
売上の柱は定額の Go と従量課金の Zen
OpenCode 本体は無料なので、お金は「モデルの利用料」から入ってきます。窓口は2つです。
1つ目は、月10ドルの定額プラン OpenCode Go です。上位の Go Plus は月40ドルです。共同創業者の Jay V は、2026年8月20日に「Go の有効な契約者が30万人」と、管理画面の画像つきで投稿しています。30万人に10ドルを掛けると、月300万ドルです。初月の割引や税を引く前の、上限の目安として見てください。
2つ目は、使った分だけ払う OpenCode Zen です。ドキュメントには「原価で売り、上乗せは決済の手数料分だけ」と書かれていて、カードの手数料(4.4%+0.30ドル)のほかは取らないとしています。
Zen が原価売りなら利益はどこで出るのか、という点は公式には書かれていません。dax の「ラボ以外で最大の推論の売り手」という言葉から、私は、量の多さで仕入れの条件を良くしているのだろうと読んでいます。ここは私の推測です。
無料モデルの費用は誰が持っているのか
無料モデルのお金の出どころは、公式ドキュメントにかなりはっきり書いてあります。
- Big Pickle や Exo など多くの無料モデルには、「この期間に、フィードバックを集めてモデルを改良している」と書かれています。作り手にとって無料期間は、実際の利用者から意見と使われ方を集める期間です。
- Nemotron の3モデルは、NVIDIA の無料の窓口(NVIDIA free endpoints)から提供されています。
- Space Bunny については、本来の無料期間が終わったあとの数日分を「OpenCode の無料枠でスポンサーする」と告知していました。OpenCode が自分で費用を持つこともあるわけです。
私は、無料モデルは OpenCode にとって「人を呼ぶ入口」だと見ています。そう考える理由は、このあと書く Hermes Agent での実験結果です。DeepSeek V4.1 Flash や GLM-5.3-Flash の無料版は、OpenCode の外から呼ぶと断られました。今回話題になった無料モデルを使えるのは、OpenCode 本体の中だけということです。
dax は、「無料モデルで十分なら、なぜ有料モデルに払うの?」という質問に、「出たり消えたりする無料モデルに頼る本気の会社はない」と答えています。無料モデルで OpenCode を気に入った人や会社が、安定して使える Go や Zen にお金を払う。私は、この流れが OpenCode の稼ぎ方だと考えています。

「データを売っている説」の実際
返信欄には「データを売っているんだろう」という声が多く並んでいました。dax は否定していますが、無料モデルに入力した内容の扱いはモデルごとに違います。公式ドキュメントの記載を分けると、こうなります(2026年10月16日時点)。
| データの扱い | 無料モデル |
|---|---|
| 保存せず学習もしない | DeepSeek V4.1 Flash Free、GLM-5.3-Flash Free、Space Bunny Free、LongCat 2.5 Preview Free |
| 学習しないが30日保存 | Cat Jam Free |
| 改良に使われうる | Big Pickle、LL Alpha Free、Exo Free、MiMo-V2.6-Flash Free、MiMo-V2.5 Free |
| NVIDIA が記録 | Nemotron 3 Ultra Free、Nemotron 3.5 Lightning Free、Nemotron 3.5 Super VL Free |
| Meta の学習に使う | Muse Spark 1.3 Contributor Free |
| 記載なし | Jev 1.13 Free |
OpenCode がデータを売っているわけではありません。ただ、モデルの作り手が無料期間のデータを改良に使うことはあります。
海外の返信には「DeepSeek の無料版は学習に使われる」という声もありましたが、公式ドキュメントでは DeepSeek V4.1 Flash Free は「保存せず、学習にも使わない」側です。Nemotron の無料版には「個人情報や機密情報を入れないでください」と明記されています。仕事のコードや個人情報を入れるなら、モデルごとの説明を先に確かめてください。
Hermes Agent から試した結果
私は Hermes Agent(Nous Research の AI エージェント)に OpenCode Go をつないで使っています。Hermes Agent と OpenCode Go の組み合わせが、いまいちばんコスパのいい AI の使い方だと思っているので、無料モデルが増えたと聞いて「ますます Hermes Agent が使いやすくなるな」と思いました。
そこで2026年10月16日に、私の Go の契約で無料モデルを呼んでみました。Hermes Agent は v0.22.0 系(10月14日の更新)です。
| モデル | 窓口 | 外から呼んだ結果 |
|---|---|---|
| DeepSeek V4.1 Flash Free | Zen | 断られた |
| GLM-5.3-Flash Free | Zen | 断られた |
| Nemotron 3.5 Super VL Free | Zen | 断られた |
| Cat Jam Free | Go | Hermes で回答あり |
| LongCat 2.5 Preview Free | Go | Hermes で回答あり |
Zen の3つは、API を直接呼ぶと「OpenCode の無料枠は OpenCode の中でしか使えない」というエラーが返ってきました。Hermes Agent の側も、9月18日の更新でキーなしで OpenCode の無料枠につなぐ機能を削除しています。理由として「キーなしで OpenCode の外から無料枠を使うと拒否されるようになった」と書かれていました。
一方、Go の料金表に載っている無料モデル2つ(Cat Jam Free と LongCat 2.5 Preview Free)は、Hermes Agent から呼ぶと答えが返ってきました。Go のドキュメントは、Hermes Agent を「動作を確認したクライアント」の1つに挙げています。ただし、v0.21.0 より後の版が必要だと書かれています。
今回いちばん話題になっている DeepSeek V4.1 Flash の無料版は、Hermes Agent からは使えません。ただ、DeepSeek V4.1 Flash は Go の定額枠に入っていて、こちらは Hermes Agent から普通に使えます。Go の月枠は80ドル分で、5時間あたりの目安は約34,670回です(Go Plus は160ドル分・約69,330回)。
Go のドキュメントには「利用枠の上限に達しても、無料モデルは使い続けられる」と書かれています。Hermes Agent には、いつものモデルが上限などで止まったときに別のモデルへ切り替える設定(hermes fallback)があります。ふだんは Go の DeepSeek V4.1 Flash を使い、止まったら Cat Jam Free に切り替える、という組み方ができそうです。この切り替えは、まだ試していません。
Hermes Agent は使いやすくなったのか
半分は本当でした。Go に並ぶ無料モデルは Hermes Agent から使えますし、DeepSeek V4.1 Flash の Go の枠も大きいままです。月10ドルで Hermes Agent を回せる範囲は、確実に広がっています。
残りの半分は、話題の DeepSeek・GLM・Nemotron の無料版が OpenCode 本体の中でしか使えないことです。無料モデルは OpenCode に人を呼ぶためのもので、ほかのツールに無料で流すものではない、と考えれば筋が通ります。
無料モデルはどれも期間限定です。Space Bunny は9月23日に「1週間無料」で始まり、10月6日には「無料期間は終わるが、数日は OpenCode の無料枠で持つ」と告知されました。今の無料モデルも、いつ終わるかは分かりません。ふだんの作業は Go の定額枠で回し、無料モデルは新しいモデルを試すのに使う、という分け方が安全だと思います。
月10ドルの Go の中身と始め方は、OpenCode Go の紹介記事に書いています。Hermes Agent を入れるところからなら、Hermes Agent の初心者向けガイドから読んでください。
よくある質問
- Q.OpenCode の無料モデルはいつまで無料ですか?
- A.公式ドキュメントには「期間限定」とだけ書かれていて、終了日は示されていません(2026年10月16日時点)。たとえば Space Bunny は9月23日に「1週間無料」として始まり、10月6日には「無料期間は終わるが、数日は OpenCode の無料枠で持つ」と告知されました。
- Q.OpenCode はどうやって売上を立てているのですか?
- A.OpenCode 本体は無料のオープンソースで、売上はモデルの利用料から入ります。窓口は、月10ドルの定額プラン OpenCode Go(上位の Go Plus は月40ドル)と、使った分だけ払う OpenCode Zen の2つです。Go の契約者は2026年8月20日時点で30万人を超えたと、共同創業者が公表しています。
- Q.OpenCode の無料モデルに入力した内容は学習に使われますか?
- A.モデルによって違います。DeepSeek V4.1 Flash Free と GLM-5.3-Flash Free は、公式ドキュメントで「保存せず、学習にも使わない」とされています。一方、Big Pickle や MiMo の無料版などは、無料期間中に集めたデータがモデルの改良に使われることがあります。Nemotron の無料版は NVIDIA が記録します。仕事のコードや個人情報を入れる前に、モデルごとの説明を確かめてください。
- Q.Hermes Agent から OpenCode の無料モデルは使えますか?
- A.一部だけ使えます。2026年10月16日に試したところ、OpenCode Go の料金表に並ぶ Cat Jam Free と LongCat 2.5 Preview Free は、Hermes Agent から回答が返りました。DeepSeek V4.1 Flash Free、GLM-5.3-Flash Free、Nemotron 3.5 Super VL Free は、OpenCode の外から呼ぶと「OpenCode の無料枠は OpenCode の中でしか使えない」と断られました。DeepSeek V4.1 Flash は、Go の定額枠でなら Hermes Agent から使えます。
参考・一次ソース
- → OpenCode Zen ドキュメント(無料モデルの一覧・データの扱い・料金の考え方)
- → OpenCode Go ドキュメント(無料モデル・利用枠・対応クライアント)
- → OpenCode Go 公式ページ
- → OpenCode 公式X:Cat Jam を無料に(2026-10-13)
- → OpenCode 公式X:DeepSeek V4.1 Flash を無料に(2026-10-15)
- → OpenCode 公式X:Nemotron 3.5 Super VL を無料に(2026-10-15)
- → OpenCode 公式X:GLM 5.3 Flash を無料に(2026-10-16)
- → OpenCode 公式X:Space Bunny の無料期間の延長(2026-10-06)
- → dax(OpenCode 創業者):データは売っていない(2026-10-15)
- → dax:ラボ以外で最大の推論の売り手(2026-10-15)
- → dax:無料モデルに頼る本気の会社はない(2026-10-15)
- → Jay V(OpenCode 共同創業者):Go の契約者30万人(2026-08-20)
- → Hermes Agent:キー不要の OpenCode 無料枠への接続を削除(2026-09-18)
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