Gemini の2026年アップデートまとめ — 3.6 Flash までの流れと Gemma・Nano の現在地
Google の Gemini が2026年にどう変わったのかを、本体モデル・手元で動く Gemma・スマホの Gemini Nano・開発者向け機能の4つに分けて時系列で整理。値下げと延期、パソコン操作の標準搭載まで、個別ニュースの詳報リンク付きでまとめた。
この記事の要点
- Gemini の2026年は「速い・安い・どこでも動く」を優先した半年だった。7月の Gemini 3.6 Flash ほか3モデルの発表では、主力が値下げされた一方で本命の Pro は延期になっている。
- 6月には Gemini 3.5 Flash に、画面を見てパソコンを操作する「Computer Use」が標準搭載された。専用モデルの機能が普通のモデルへ溶け込んだ形だ。
- 手元の機械で動かせる Gemma 側も速くなった。Gemma 4 は「下書き役」を使う仕組み(MTP)で品質を落とさず最大3倍速になり、Gemma 4 12B はメモリ16GB のノートパソコンで動く。
- 裏を返すと、モデル名が増えて選びにくくなったことが利用者側の負担になっている。用途で選ぶなら、まず価格と性能の位置関係を見てから、必要な機能で絞るのが早い。
Gemini は2026年に入ってから更新の頻度が上がり、名前の似たモデルが並行して増えた。3.5 Flash と 3.6 Flash、Gemma 4、Gemini Nano——どれが何なのか分からなくなりやすい。
このページは、ai-garage が2026年に報じた Gemini/Google の AI 関連ニュースを、4つの系統に分けて並べ直したもの。詳報と一次ソースは各リンク先にある。
1. Gemini 本体 — 主力は速い系、上位は延期
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 5月 | Google I/O 2026。Gemini 3.5 Flash、検索の AI Mode(月10億ユーザー)、個人向けエージェント Gemini Spark などを一気に発表 |
| 6月 | Gemini 3.5 Flash に「Computer Use」が標準搭載。画面を見てパソコンを操作する機能が、専用モデルから普通のモデルへ溶け込んだ |
| 7月 | Gemini 3.6 Flash ほか3モデルを発表。主力は値下げされた一方、本命の Pro は延期 |
| 8月 | Gemini 3.7 Flash を公開。3.6 Flash から3週間での世代交代で、年内は導入価格の入力$0.75/出力$3.75。この時点の主力は 3.7 Flash |

「速くて安い方を主力に置く」という置き方がこの半年で固まった。上位モデルの遅れは、 性能競争より供給と価格の勝負に軸が移っていることの表れとも読める。
2. Gemma — 手元のパソコンで動かす側
Gemma は、中身が公開されていて自分の機械で動かせるモデル(オープンウェイト)の系統。
- Gemma 4 が最大3倍速に:「下書き役」を使って複数の単語をまとめて予測する仕組み(MTP)で、品質を落とさず高速化
- Gemma 4 12B:メモリ16GB のノートパソコンで動き、画像と音声もそのまま入力できる
- DiffusionGemma:文章を1文字ずつではなく一気に作る方式。H100 なら毎秒1000トークン超
3. スマホとデバイス — Gemini Nano と Android への埋め込み
- Gemini Intelligence:Galaxy・Pixel・時計・眼鏡・ノートパソコンまで、Android 全般で動く機能群として発表
- frozen MTP で Gemini Nano が50%以上高速化:Pixel の中で動く AI の速度改善
- Apple の新しい Siri AI を Google と共同開発:Apple の基盤モデルに Gemini 系の技術が入るという、勢力図に効く一件
4. 開発者向けと基盤 — 調べ方と土台の話
- Gemini API の File Search がマルチモーダル化:手元の資料を検索させて答えの根拠にする仕組み(RAG)で、画像もそのまま検索対象に
- Agentic RAG:複数のエージェントが計画・問い直し・再検索を繰り返して、答えの正しさが最大34%向上
- フルスタック AI という考え方:チップ(TPU)からモデル、動かす土台まで自社で持つことの意味を Google 自身が解説
- Earth AI で自然回復:3億枚以上の衛星画像で鍛えたモデルで、英国の農地の生け垣や小さな森を自動で地図化
周辺で起きていること
Gemini の話は、技術以外のところで足を取られる場面も出てきた。
- ドイツで「AI Overviews の誤りは Google の責任」とする判決(ミュンヘン地方裁判所・5月28日)。検索結果を要約するだけの中立な通り道ではなく、AI が自分の言葉で書いた独立した主張だという判断
- 米バージニア州での電力・人材投資。500メガワット超の電力と、2030年までに電気工事の見習い2,741人を育てる支援
この半年をどう読むか
Gemini の2026年は、「速い・安い・どこでも動く」を優先した半年だった。上位モデルの延期と主力の値下げ、パソコン操作機能の標準搭載、手元で動く Gemma の高速化——どれも同じ方向を向いている。
裏を返すと、モデル名が増えて選びにくくなったのが利用者側の負担になっている。用途で選ぶなら、まず AIモデル比較表で価格と性能の位置関係を見てから、必要な機能(画面操作・画像入力・手元で動くか)で絞るのが早い。
個別ニュースの一次ソース(Google 公式発表・報道・判決)は、それぞれのリンク先の記事に記載している。
よくある質問
- Q.Gemini 3.5 Flash と 3.6 Flash は何が違う?
- A.3.5 Flash は2026年5月の Google I/O で発表され、6月に画面を見てパソコンを操作する「Computer Use」が標準搭載された。3.6 Flash はその翌月の7月に、ほか2モデルとあわせて発表されたもので、主力は値下げされた一方、本命の Pro は延期になっている。
- Q.Gemma と Gemini はどう違う?
- A.Gemma は、中身が公開されていて自分の機械で動かせるモデル(オープンウェイト)の系統だ。Gemma 4 は「下書き役」を使って複数の単語をまとめて予測する仕組み(MTP)で最大3倍速になり、Gemma 4 12B はメモリ16GB のノートパソコンで動いて画像と音声もそのまま入力できる。
- Q.Computer Use では何ができる?
- A.画面を見てパソコンを操作できる。2026年6月に Gemini 3.5 Flash へ標準搭載され、それまで専用モデルが担っていた機能が、普通のモデルの側へ溶け込んだ。
- Q.AI Overviews の誤りは誰の責任になる?
- A.ドイツのミュンヘン地方裁判所は2026年5月28日、AI Overviews の誤りは Google の責任だとする判決を出した。検索結果を要約するだけの中立な通り道ではなく、AI が自分の言葉で書いた独立した主張だ、という判断だ。
- Q.Gemini のモデルが多すぎて選べない。どう絞る?
- A.用途から絞るのが早い。まず AIモデル比較表で価格と性能の位置関係を見て、そのうえで必要な機能——画面操作ができるか、画像を入力できるか、手元の機械で動くか——で候補を狭めていくとよい。
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