ChatGPTの文章に透かし、日本は対象外|EUだけで開始、25%書き換えで検出17%
OpenAI が ChatGPT と Codex の文章に見えない透かしを入れると発表したよ。対象は EU だけで、日本は対象外。API は全世界で任意、検出ツールは研究者向けだけ。電子透かしとは何か、消せるのか、Claude の透かしとの違いを整理するね。
この記事の要点
- OpenAI が2026年10月5日、ChatGPT と Codex が書いた文章に見えない透かし(textGrain)を入れると発表したよ。対象は EU の利用者だけで、今後数週間で全プランに入る。日本の ChatGPT は対象外なんだ。
- API は全世界で「入れるかどうかを選べる」形になった。最初は切ってあって、開発者がオンにしたときだけ入るよ。日本のサービスでも、裏で OpenAI の API を使っていて開発者がオンにしていれば、文章に透かしが入る可能性はあるんだ。
- 透かしは書き換えに弱い。400トークンの文章で単語の10%を言い換えると検出率は約92%→66%、25%で17%まで下がると OpenAI 自身が公表したよ。検出ツールは承認された研究者・専門機関だけに配られ、一般公開はしない。
- Claude の透かしは日本を含む全世界が対象なので、2社で扱いが分かれた。日本で使う場合、文章に透かしが入るのは Claude 側だけ、という状態だよ(2026年10月6日時点)。
やっほー、ぼくてんびん丸!
「ChatGPT で書いた文章に、見えない印が入るらしい」——レポートや仕事の文章で ChatGPT を使っている人なら、ちょっとドキッとするニュースだよね。
でも先に結論を言うと、日本の ChatGPT は今回の対象外なんだ。どこが対象で、何が変わって、何が変わらないのか、整理していくね。
何があったの?
OpenAI が2026年10月5日、EU の AI 法(EU AI Act)への対応として、文章の透かし(ウォーターマーク)の方針を公式に発表したよ。中身は3つなんだ。
| 何が | どうなる | いつから |
|---|---|---|
| ChatGPT と Codex の文章 | 見えない透かしが入る(EU の利用者だけ・全プラン) | 今後数週間で順次 |
| API の文章 | 開発者がオンにしたときだけ入る(全世界・一部のモデル) | 10月5日から |
| 透かしの検出ツール | 承認された研究者・専門機関だけが申請して使える | 10月5日から申請受付 |
透かしの技術は textGrain(テキストグレイン) という OpenAI の独自方式だよ。OpenAI は「自社の評価では、Google の SynthID の文章版と同じか、それ以上の性能だった」と書いていて、技術報告書の追加や、オープンソースでの公開も予定しているんだ。
ポイントは、OpenAI がはっきり「全世界の標準にはしない」と書いていること。EU で実際に使われた反応を見てから考える、という段階的なやり方なんだ。

電子透かしとは?
電子透かしは、文章や画像に人間には見えない印を埋め込んで、あとから機械で「どこで作られたか」を確かめられるようにする仕組みだよ。
お札をすかすと見える「透かし」のデジタル版、と考えると分かりやすいかな。ただし文章の透かしは、光にかざしても見えないんだ。
AI は文章を書くとき、「次はどの単語にしようかな」と候補から1つずつ選んでいるよね。textGrain は、その選び方のクセに統計的な合図を仕込むんだ。読む人には普通の文章にしか見えないけど、専用の検出ツールで調べると「この並び方は OpenAI の AI っぽい」と分かる、という仕組みだよ。
きみの使い方で何が変わるかというと、日本で ChatGPT を使っているかぎり、今のところ何も変わらない。変わるのは EU の利用者と、API で透かしをオンにした開発者のサービスだけなんだ。
日本の ChatGPT は本当に対象外?
OpenAI の発表では、ChatGPT と Codex への透かしは「EU only(EU だけ)」と書かれているよ。2026年10月6日時点で、日本はこの対象に入っていないんだ。
ただし、ひとつだけ気をつけたいところがあるよ。
- API は全世界で「選べる」ようになった。 最初は切ってあるけど、OpenAI の API を使ってサービスを作っている会社がオンにすれば、日本のアプリでも文章に透かしが入ることがあるんだ。
- OpenAI は、クラウド経由(他社のクラウドで OpenAI のモデルを使う場合)でも、数週間のうちに透かしを使えるようにすると書いているよ。
つまり「ChatGPT の画面で書いた文章」には入らないけど、「OpenAI の AI を裏で使っている別のサービスの文章」には入る可能性がある、ということだね。
透かしは消せる?書き換えるとどうなる?
ここは OpenAI 自身が、かなり正直に弱点を公表しているよ。誤って「透かしあり」と判定する率を1%に抑えた条件での数字なんだ。
| 条件 | 透かしを見つけられた割合 |
|---|---|
| 200トークンの文章(心理学の質問への回答など) | 約80% |
| 400トークンの文章(同上) | 約95% |
| 400トークンの文章で、単語の10%を同じ意味の言葉に言い換え | 約92% → 66% |
| 400トークンの文章で、単語の25%を言い換え | 約92% → 17% |
| 数学のように言い回しの自由が少ない文章 | 「大幅に低い」と公表 |
短い文章は見つけにくく、少し言い換えるだけで一気に弱くなるってことだね。OpenAI はこの弱さを理由に、検出ツールを一般には公開せず、研究者・専門機関にだけ配って信頼性を確かめると書いているよ。
さらに OpenAI は、透かしで「分からないこと」も5つ並べているんだ。
- 人間がどれだけ手を加えたかは分からない
- 文章の持ち主や、使い方が正しかったかは決められない
- 書いた人(アカウント・会話の中身)は特定しない
- 内容が正しいかどうかは分からない
- 透かしが見つからなくても、人間が書いた証明にはならない
透かしで文章の質は落ちない?
OpenAI は、最上位モデルの GPT-6 Astra(max 設定)で、透かしあり・なしを8つのベンチマークで比べた表を出しているよ。一部を抜き出すとこうなるんだ。
| ベンチマーク | 透かしなし | 透かしあり |
|---|---|---|
| Artificial Analysis Intelligence Index | 49.57点 | 49.76点 |
| DeepSWE v1.1 | 72.80% | 71.68% |
| Terminal-Bench 4.0 | 53.90% | 56.06% |
| GPQA Diamond | 94.44% | 93.94% |
上がったり下がったりしていて、はっきりした差は出ていない。OpenAI も「意味のある性能差は見られない」とまとめているよ。
ぼくの見解
ぼくがいちばん気になったのは、OpenAI と Anthropic で、同じ EU の法律への答え方が真逆になったことなんだ。
ai-garage では8月にClaude の透かしの記事を書いたけど、そのときの Anthropic の方針と並べるとこうなるよ。
| ChatGPT(OpenAI) | Claude(Anthropic) | |
|---|---|---|
| 対象地域 | EU だけ | 日本を含む全世界 |
| API | 開発者が任意でオン(最初はオフ) | 対象 |
| 方式 | textGrain(独自) | SynthID-Text 方式の一種 |
| 消える条件 | 25%言い換えで検出17%まで低下 | 全部の単語を置き換える書き直しで消える |
| 検出ツール | 研究者・専門機関だけ(申請制) | 8月16日時点では「近く API を提供」 |
日本で使う場合、文章に透かしが入るのは今のところ Claude だけ、という逆転が起きているんだ。Anthropic は「EU のための対応を全世界でやる」、OpenAI は「EU で試してから考える」。どちらが正しいというより、透かしの弱さをどう受け止めるかの違いだと思う。OpenAI が弱点の数字をここまで細かく出したのは、「この精度で全世界に入れて、誤判定で困る人を出したくない」という判断に見えるよ。
もうひとつ、上の品質の表にある Intelligence Index 49.57点は、ai-garage の比較表に載せている GPT-6 Astra の値(53・Artificial Analysis の公開値 v4.3.2)とは数字が違う。OpenAI が自分で同じ条件にそろえて測り直した値なので、この表は「透かしのあり・なしの差」を見るためのもので、他のモデルとの比較には使わないほうがいいよ。
それと、透かしが話題になると「AI 文章判定ツールでバレる」系の話も一緒に広がりがちなんだけど、作った会社自身が「見つからなくても人間が書いた証明にはならない」と言っていることは覚えておきたいな。透かしで白黒つける時代はまだ来ていない気がするよ。
まとめ
ChatGPT の文章の透かしは、EU だけで、数週間のうちに始まる。日本の ChatGPT は2026年10月6日時点で対象外だよ。
ただ、API では全世界で選べるようになったし、OpenAI は「状況に合わせて見直す」とも書いている。日本に広がるかどうかは、EU での結果しだいなんだ。
いちばん大事なのは、透かしがあってもなくても、AI を使ったかどうかを決めるのは学校や会社のルールだってこと。透かしの有無を気にするより、使っていい場面かどうかを先に確かめておこうね。
よくある質問
- Q.電子透かしとは?
- A.電子透かしは、文章や画像に人間には見えない印を埋め込んで、あとから機械で「どこで作られたか」を確かめられるようにする仕組みだよ。OpenAI の文章用の透かし(textGrain)は、AI が次の単語を選ぶときのクセに統計的な合図を仕込む方式で、見た目の文章は変わらないんだ。
- Q.ChatGPT の透かしは日本でも入るの?
- A.2026年10月6日時点では入らないよ。OpenAI は ChatGPT と Codex の文章への透かしを「EU only(EU だけ)」で始めると公式に書いていて、全世界の標準にはしないと明言しているんだ。ただし API は全世界で開発者が任意でオンにできるので、OpenAI の API を使った他社のサービス経由の文章には入る可能性があるよ。
- Q.ChatGPT の透かしは消せる?
- A.書き換えると弱くなるよ。OpenAI の公表値では、400トークンの文章で単語の10%を言い換えると検出率が約92%から66%に、25%を言い換えると17%に下がるんだ。短い文章や数学のように言い回しの自由が少ない文章も、もともと見つけにくいとされているよ。
- Q.ChatGPT で書いた文章は透かしでバレる?
- A.日本の ChatGPT の文章には2026年10月6日時点で透かしが入らないうえ、検出ツールも承認された研究者・専門機関にしか配られていないよ。また OpenAI は「透かしが見つからないことは人間が書いた証明にならない」とも書いているんだ。透かしよりも、学校や会社の AI 利用ルールを確認するほうが大事だよ。
- Q.透かしが入ると ChatGPT の文章の質は落ちる?
- A.OpenAI は落ちないとしているよ。GPT-6 Astra の max 設定で、透かしあり・なしを8つのベンチマークで比べた結果を公表していて、たとえば Artificial Analysis Intelligence Index は透かしなし49.57点・透かしあり49.76点とほぼ同じだったんだ。
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