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ベンチマーク

Terminal-Benchとは?

最終更新 (公開 2026年7月6日)

別名: ターミナルベンチ / Terminal Bench

AIエージェントが「ターミナル作業」をどこまで自走できるかを測るベンチマーク。最新は4.0で、公式リーダーボード1位のモデルでも64.8%しか解けない。

⚡ 30秒でわかる

Terminal-Bench の主なポイント

  • 1 AIエージェントの「ターミナル作業を自走でやり切る力」を測るベンチマーク。Stanford・Harbor・Laude Institute が運営
  • 2 最新版は2026年8月28日公開の Terminal-Bench 4.0(66課題)。公式リーダーボード1位の Claude Opus 5.5 でも 64.8% で、3分の1強は解けずに残る(2026年10月9日確認。2位は Claude Sonnet 5.5 の 61.8%)
  • 3 版が違うと数字が別物になる。同じ Claude Fable 5 が 2.1 では 83.8%、3.0 では 33.8%。80%超えの数字は古い版の話
  • 4 点数だけでなく費用とトークン量も公開される。同じ 58.2% でも GPT-6.1 Sol は約630ドル、GPT-6 Astra は3.3千ドルとおよそ5倍差
  • 5 各課題はDockerの隔離環境+自動採点スクリプトで再現性が高く、制限時間は4.0から一律8時間にそろえられた

📖 詳しく

Terminal-Bench とは

Terminal-Bench(ターミナルベンチ)は、AIエージェントが「ターミナル(コマンドライン)でどれだけ自走して作業できるか」を測るベンチマークです。 ファイル操作・Git・パッケージ管理・サーバー設定・コードのビルド・機械学習モデルの学習といった、 実際のエンジニアが黒い画面で打ち込むような作業を、AIにそのまま任せて成功率を測ります。 なぜ重要かというと、近年のAIは「コードを書く」だけでなく 「環境を整え、コマンドを実行し、エラーを直し、最後までやり切る」自律エージェントへ進化しており、 その総合的な実務力を測る物差しが必要になったからです。 たとえるなら、料理のレシピを暗唱できるか(=知識テスト)ではなく、 実際にキッチンに立って買い出しから片付けまで一人でこなせるか(=実技テスト)を見るイメージです。 各課題はDockerで隔離された環境と自動採点スクリプトで構成され、 Stanford・Harbor・Laude Institute が共同で運営しています。 SWE-Bench が「単発のバグ修正」を測るのに対し、 Terminal-Bench は「ターミナル上の幅広い実務を一気通貫でこなせるか」を測る点が違います。 いま動いている最新版は Terminal-Bench 4.0 で、2026年8月28日に公開されました。 公式リーダーボードの上位は次のとおりです(2026年10月9日に公式サイトで確認。同じモデルが考える量の設定ごとに何行も載っているため、モデルごとにいちばん良い結果で数えた順位です)。 1位 Claude Opus 5.5(Claude Code)64.8%/2位 Claude Sonnet 5.5(Claude Code)61.8%/ 同率3位 GPT-6.1 Sol(Codex)と GPT-6 Astra(Codex)58.2%/5位 Claude Fable 5.1(Claude Code)57.9%/ 6位 Claude Opus 5 53.9%/7位 GPT-6 Sol 49.4%/8位 Claude Fable 5 44.5%/9位 GLM-5.3 41.8%/ 10位 Grok 4.7 37.6%/11位 GPT-5.6 Sol 37.3%。下のほうには Gemini 3.8 Flash 19.1%、GPT-6 Luna 16.4%、Claude Sonnet 5 12.4% などが並びます。 なお Claude Opus 5.5 については、Anthropic が発表時に自社でこの 4.0 を計測して 66.4%(xhigh 設定。max 設定では 64.8%)と公表していました。 公式リーダーボードに載っているのは max 設定の 64.8% なので、順位を見るときは公式リーダーボードの値どうしで比べてください。 Claude Sonnet 5.5 も Anthropic の自社計測(max 設定)では 70.6% と公表されていますが、公式リーダーボードの値は同じ max 設定で 61.8% です。 2026年10月7日公開の Claude Haiku 5.5 も Anthropic の自社計測で 39.2% と公表されていますが、10月9日時点では公式リーダーボードに載っていません。 ここで読み取ってほしいのは、公式リーダーボードでいちばん強いモデルでも3分の1強は解けずに残る、という点です。 「AIがもうエンジニアの仕事を全部できる」という話とは、まだ距離があります。 かかったお金とトークンの量も、公式が一緒に公開しています。ここが面白いところで、 同率3位の2つを比べると、GPT-6.1 Sol は 58.2% を約630ドル・15億トークンで取ったのに対し、 GPT-6 Astra は同じ 58.2% に 3.3千ドル・15億トークンを使っています。 点もトークン量も同じなのに、かかった費用はおよそ5倍の差です。 1位の Claude Opus 5.5 は 64.8% に 4.7千ドル・80億トークン、2位の Claude Sonnet 5.5 は 61.8% に 7.3千ドル・194億トークンでした。 1トークンあたりの単価は Opus 5.5 が Sonnet 5.5 の2倍なのに、使ったトークンが半分以下なので、総額は Opus 5.5 のほうが安く済んでいます。 さらに目立つのが Claude Sonnet 5 で、掲載モデル中いちばん高い 9.6千ドル・216億トークンを費やして 12.4% でした。 公式は、Sonnet 5 がトークンを大量に使って出力の上限に引っかかったり時間切れになったりした、と説明しています。 同じ「賢さ」でも、目的に対してどれだけ無駄なく動けるかは別の能力だ、ということが数字に出ています。 そして初心者がいちばん引っかかるのが、版が違うと数字がまるで別物になる点です。 同じ Claude Fable 5 が、Terminal-Bench 2.1 では 83.8%、3.0 では 33.8% でした。 Claude Opus 4.8 は 78.9% から 21.1%、Claude Sonnet 5 は 74.6% から 14.6% です。 モデルが弱くなったのではなく、テストが難しくなったからこうなります。 そして数字は下がる一方でもありません。同じ Claude Fable 5 は、 課題が整理された 4.0 では 44.5% と、3.0 の 33.8% から10ポイントほど戻しています。 採点のしかたや課題の入れ替えで上下するので、版をまたいだ数字の増減を 「モデルが良くなった/悪くなった」と読むことはできません。 ネットで見かける「Terminal-Bench で80%超え」という数字は、たいてい古い 2.1 までの話です。 比べるときは、必ず同じ版の数字どうしで比べてください。 版の歴史は、1.0(2025年5月19日)、2.0(2025年11月7日)、2.1(2026年5月6日)、 Challenges(2026年6月18日)、3.0(2026年7月30日)、Science 0.1(2026年8月27日)、 4.0(2026年8月28日)と続いています。 3.0 は7分野74課題で作り直され、当時の最高が約34%でした。 4.0 はそこから、答えが出回っていた課題や、最新世代のモデルが5回中5回とも解けてしまって 差がつかなくなった課題など8問を取り除き、19問に修正を入れたものです(残り66課題)。 あわせて、課題ごとにばらばらだった制限時間を一律8時間にそろえ、 計測のブレ(時間切れやエラーで点を落とす分)を減らしています。 なお 3.1 ではなく 4.0 という番号になっているのは、課題そのものを入れ替えたため、 過去のスコアをそのまま横に並べられなくなったからです。 Terminal-Bench は「一度作って終わり」ではなく継続的に手を入れ続けるベンチマークへ方針を変えており、 中身が入れ替わったときは番号の大きいほうを上げる、という決め方をしています。 今後は 4.1 で採点プログラムの改ざん耐性を上げ、5.0 で新しい課題を足す予定が公開されています。

❓ FAQ

よくある質問

Q. Terminal-Bench とは?
A. AIエージェントがターミナル(コマンドライン)上で実務をどれだけ自力でこなせるかを測るベンチマークです。ファイル操作やGit、サーバー設定、コードのビルドといった課題を、隔離環境でAIに実行させて成功率を採点します。Stanford・Harbor・Laude Institute が共同で運営しています。
Q. Terminal-Bench 4.0 とは?3.0 から何が変わった?
A. 2026年8月28日に公開された最新版です。3.0(7分野74課題)から、答えがネット上に出回っていた課題や、最新世代のモデルが5回中5回とも解けてしまって差がつかなくなった課題など8問を削除し、19問に修正を入れました(残り66課題)。あわせて課題ごとの制限時間を一律8時間にそろえ、時間切れやエラーによる計測のブレを減らしています。3.1 ではなく 4.0 なのは、課題そのものが入れ替わって過去のスコアと横並びにできなくなったためです。
Q. いま1位のモデルとスコアは?
A. 2026年10月9日時点の公式リーダーボードでは、1位が Claude Opus 5.5(Claude Code)で 64.8%、2位が Claude Sonnet 5.5(Claude Code)で 61.8%、同率3位が GPT-6.1 Sol(Codex)と GPT-6 Astra(Codex)で 58.2% です(どれも考える量を最大の max にした設定)。いちばん強いモデルでも3分の1強の課題は解けずに残っており、満点にはほど遠い状態です。なお Anthropic は Claude Opus 5.5 の発表時に自社計測で 66.4%(xhigh 設定)と公表していましたが、公式リーダーボードの値は max 設定の 64.8% です。
Q. 「Terminal-Bench で80%超え」という数字を見たけれど本当?
A. 古い版の数字です。同じ Claude Fable 5 が、Terminal-Bench 2.1 では 83.8% でしたが、難しくなった 3.0 では 33.8% でした。Claude Opus 4.8 も 78.9% から 21.1% に下がっています。モデルが弱くなったのではなく、テストが入れ替わったためです。逆に課題が整理された 4.0 では同じ Fable 5 が 44.5% に戻っており、版をまたぐと上にも下にも動きます。スコアを比べるときは必ず同じ版どうしで比べてください。
Q. Terminal-Bench Pro というベンチマークはある?
A. ありません。公式にあるのは Terminal-Bench 本体(1.0〜4.0)と、派生の Terminal-Bench Challenges、Terminal-Bench-Science です。「Pro」が付くのは別のベンチマークである SWE-Bench Pro のほうで、こちらはGitHub上のバグ修正を測るもの。名前が似ているので混同されがちですが、測っている中身が違います。
Q. SWE-Bench との違いは?
A. SWE-Bench は「GitHub上の実バグを1件直せるか」というコーディング修正タスクに特化しています。一方 Terminal-Bench は、バグ修正に限らずサーバー構築・環境設定・ビルド・データ処理など、ターミナル上の幅広い作業を一連の流れでこなせるかを見る点が違います。エージェントの総合的な「現場力」を測るイメージです。
Q. なぜコーディングAIを選ぶときにこの指標を見るべき?
A. 実際の開発では、AIは「コードを書く」だけでなく「コマンドを打ち、エラーを直し、最後まで完遂する」ことを求められます。Terminal-Bench はその自律性を反映するため、Claude Code や Codex のような自走型エージェントの実力比較に向いています。スコアと一緒に費用とトークン量も公開されるので、同じ点数ならどちらが安く済むかまで見比べられます。
Q. 初心者は何に注意すればいい?
A. 3つあります。第一に、満点が当たり前ではありません。公式リーダーボードの1位でも 4.0 では 64.8%(2026年10月9日確認)にとどまります。第二に、版(2.1 / 3.0 / 4.0 など)や派生版で難度も課題数も違うので、数字を比べるときは同じ版か確認してください。第三に、点数だけを見ないことです。公式は費用とトークン量も出しており、同じ点数でも費用が5倍違う例があります。

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