SECTION 01
今月の業界全体像
2026年4月は、フロンティアモデル3本(Claude Opus 4.7 / GPT-5.5 / Gemini 3 Preview)がほぼ同時期に出揃った月でした。前年同期は『誰が次のチャンピオンか』を競う雰囲気でしたが、今月は『棚割が確定した上で、用途別に住み分け』へ移行した印象です。
コーディングでは GPT-5.5 が SWE-Bench Verified 88.7% でトップを取りつつ、Claude Opus 4.7 が SWE-Bench Pro と Terminal-Bench で勝利。Gemini 3 Preview は長文(100万トークン超)で独走、ロングコンテキスト評価(MRCR v2)で大幅リード。3社が互いに譲らない棚割が完成しつつあります。
SECTION 02
MCP 採用が本格化
Anthropic が2024年末に公開した MCP(Model Context Protocol)の採用が、4月に入って一気に加速しました。GitHub の awesome-mcp リポジトリで公開された MCP サーバー数は300本を突破し、Figma / Slack / Notion / Linear などの主要 SaaS が公式 MCP サーバーを提供開始。
OpenAI も2025年中に MCP サポートを発表しており、業界横断のプロトコルとして定着した感があります。エージェント実装の前提条件が標準化されたことで、各社が『エージェント自体の差別化』に集中できる地合いが整いました。
SECTION 03
Anthropic の金融特化10種
Anthropic が金融特化のエージェント10種を一気に公開し、JPMorgan / Goldman Sachs / Citi が採用を表明しました。投資調査・レポート作成・コンプライアンス対応・取引執行支援など、金融業務の幅広い領域をカバー。
Valx AI ベンチ(金融質問の専門性を測るテスト)で64.37%を記録し、汎用 GPT-5.5 の同テスト性能を約12ポイント上回っています。垂直特化モデル/エージェントの実用化が一気に加速した出来事として記録されました。
SECTION 04
編集後記
個人的には Microsoft 365 Claude アドインのリリースが象徴的でした。これまで Microsoft = OpenAI のイメージが強かったところに、Claude を公式アドインとして組み込んだのは『マルチベンダー前提の業務AI』を Microsoft が認めた瞬間と読めます。
5月以降は『業務SaaS が複数 AI モデルをスイッチして使う』時代の本格化が予想されます。本サイトでも、用途別おすすめページ(/picks)でモデル併用パターンを推奨しているのは、この流れを踏まえてのことです。